王子様の秘密-上-



「念のため、保健室行く?」

「けっこうです!」



て言うか、私は何がぶつけられたの…?


成弥の持っている物を見ると…

へ?…段ボール?


成弥は大きな段ボールを持っていた。



「成弥君っ」



私のクラスに入って来た女の子が、成弥の名前を呼んだ。


うちのクラスじゃないし…誰?



「あぁ、神崎さん」

「うぅ~…ごめんね、成弥君っ
それ、委員会の?」

「うん」

「私も持つよ!」

「いや、いいよ。
僕、持てるから」

「でも…」

「じゃあ、神崎さんは軽いの持ってもらえるかな?」

「うんっ」



成弥から段ボールの中身…小さい箱を受け取った神崎さん。


笑顔かわいい子だなぁ…


と思っていると、成弥と目が合った。



「…頑張ってね!」

「うん、ありがとう」



嫌みを込めて言ったつもりだけど、成弥に笑顔で流された。


そして、それだけ言うと、成弥と神崎さんは教室を出て行った。



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