王子様の秘密-上-
「桜木さんって、人気あるよね~
かわいいし」
「へぇ、そうなんだ」
恭平も言ってたな…
有名だって…
「でもさ」
「ん?」
「ああいう子に限って、裏ではすごい事しちゃってるらしいよ~」
……はぁ?
隣で笑いながら陽菜の事を言う神崎。
「最近さ、桜木さんと成弥君が一緒にいるの見るからさ…
成弥君が騙されてると思って…」
……何なんだよ?
俺は、心底から噴き上がる怒りを抑えた。
「成弥君?」
「…あっ…」
「え?」
「ごめん、ちょっと忘れ物思い出したから、先に行っててくれる?」
「あ、うん…
軽いし、荷物持ってくよ?」
「女の子に申し訳ないんだけど、ごめんね」
「ううんっ
成弥君ありがとう!」
うぜぇ…
うぜぇよ…
俺は笑顔のまま、神崎から離れた。
行く先なんて決まってる。
まだ昼休みだ。
アイツらはあそこにいる。
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