王子様の秘密-上-



「桜木さんって、人気あるよね~
かわいいし」

「へぇ、そうなんだ」



恭平も言ってたな…

有名だって…



「でもさ」

「ん?」

「ああいう子に限って、裏ではすごい事しちゃってるらしいよ~」



……はぁ?


隣で笑いながら陽菜の事を言う神崎。



「最近さ、桜木さんと成弥君が一緒にいるの見るからさ…
成弥君が騙されてると思って…」



……何なんだよ?


俺は、心底から噴き上がる怒りを抑えた。



「成弥君?」

「…あっ…」

「え?」

「ごめん、ちょっと忘れ物思い出したから、先に行っててくれる?」

「あ、うん…
軽いし、荷物持ってくよ?」

「女の子に申し訳ないんだけど、ごめんね」

「ううんっ
成弥君ありがとう!」



うぜぇ…

うぜぇよ…


俺は笑顔のまま、神崎から離れた。

行く先なんて決まってる。

まだ昼休みだ。


アイツらはあそこにいる。



,
< 139 / 175 >

この作品をシェア

pagetop