王子様の秘密-上-
「ただいま」
「お…おじゃましますっ」
椿谷君の素っ気ない挨拶。
何か椿谷君じゃないみたい…
「あ、陽菜ちゃん!?」
玄関から近くのドアが開き、顔を覗かせたのは…
かわいい女の人だった。
「え?あれ、お姉さん?」
「は?」
「やだあああーもうっ
陽菜ちゃんかわいいじゃない!!
私、成弥の母…美沙子です♪」
「え?え?え?
…えぇ!?椿谷君のお母さん!?」
笑顔で頷く椿谷君のお母さん…美沙子さんは、とてもかわいかった。
この家庭は…もしかしたら、美男美女の遺伝子しかないのかもしれない。
なんて、バカなことを考えていると、私のお母さんが顔を出した。
…あ、うちの家庭では無理だな。
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