王子様の秘密-上-
ガラッ
「成弥も恭平もいたんだ?」
「いたんだ?」
賢のリピートすんなよ、廉。
自習室に顔を覗かせたのは、あの双子。
「つか、この時間に来るって…
みんなさぼり?」
「まぁな」
「「そうですとも~」」
リピートもうるせぇが、被られるのもイラッとくる。
まぁ、無視だ、無視。
「なぁ」
「ん?」
「…自分に陽菜の悪口言われたら、どう思う?」
「……はぁ?」
だよな。
やっぱ、そうだよな。
聞くんじゃなかった。
「言われたの?」
「…あぁ」
「なんて?」
「裏ではすごい事してる、俺は騙されてるんだってー…」
騙されてるのは、お前だよ、神崎。
あぁ、俺は何してんだ…?
「桜木ちゃん…
いい子だし、ひがみだよなぁ…」
「まさか、成弥っ」
「“そうなんだ”とか言って…」
「言うわけねぇよ!!」
何でそうなる!!
きっと…
俺は神崎より、陽菜を知っている。
誕生日も好きな物だって知らねぇけど…
アイツのいろんな表情とか、すぐに文句言うけど、実は照れ隠しだったりするところも…
少なくとも、俺は知っているつもりだ。
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