王子様の秘密-上-



「…で、不機嫌だったんだ?」



ニヤリと笑う恭平。



「なんだよ?」

「成弥って…」

「だから、なんだよ?」

「桜木ちゃんのこと、好きなの?」

「………はぁ!?」



信じられねぇ!!

恭平の奴、何て言った!?

俺が陽菜を好き!?



「素直になりなよ、成弥」

「どうりで、陽菜ちゃんを見る成弥の目が違うと思ったぁ~」

「なんかさぁ…
すっごい切なそうって言うか、大切そうに見るよね」

「うんうん」



賢と廉が頷き合う。


…待て!!

俺はそんな…



「成弥、お前、今まで遊び過ぎたんだよ」

「恭平だってそうだろ?」

「俺はちゃんと恋しました~!
成弥は知らない“好き”と言う感情を俺は知っています!」



好きの感情?

そんなもの知らねーよ。



,
< 142 / 175 >

この作品をシェア

pagetop