王子様の秘密-上-
「よ、よろしくお願いします!!」
「うふふ、こんなかわいい子が来てくれて、お母さん嬉しいなぁ~♪
ね、成弥?」
「……………」
三人掛けソファーに座る、美沙子さんと私のお母さん。
その反対側のソファーに座る私と椿谷君。
隣に椿谷君がいるだけで、心臓はうるさくて仕方ない!!
「成弥~、陽菜ちゃんに挨拶は?」
「挨拶なら今朝したから」
「…もう!
ごめんなさいね、成弥ったら無愛想な子で…」
「あ、とんでもないで…す?」
あ、れ?
何か違う…おかしいよね?
椿谷君って、こんなに無口だっけ…?
椿谷君の家に来てからは、一度もあの有名な笑顔を見ていない気が…
き、気のせい…だよね!?
「椿谷君には、今朝学校で親切に教えてくれて…
今日の放課後、困ってたときも…」
「ー…そんなことした?」
少し気まずくなった空気をフォローしようと思った私に、隣から水を差された。
なんか…じゃない!!
気のせい…でもない!!
普段の椿谷君と…
雰囲気違う!!
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