王子様の秘密-上-



「はぁ」

「27回目。
また椿谷?」

「…なんで分かるの?」



栞は呆れたように私に言った。



「陽菜がため息つくのって、椿谷関係してばっかりなんだもん。
…で、何があった?」

「う、ん…」



私が話すと、栞は黙って聞いてくれた。

話し終えた頃には、話す前よりも気持ちが楽になっていた。


友達って良いなぁ…


改めて、友達の大切さを身に染みた。



「…心当たりは?」

「ないよぉ…」



ないから余計に困ってんじゃん…



「いつ頃からなの?」

「うーん…
あっ、ちょうど神崎さんが来たとき!」



そうそう。

うちの教室に成弥がいて…

段ボールぶつけられて…


あれ?

あのとき、何の話してたんだっけ?



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