王子様の秘密-上-
コンコン
「成弥?」
「…なに?
眠いんだけど」
「あっごめん…
その、ちょっと話が…」
「話?」
ガチャ
成弥の部屋のドアが開き、眠そうな成弥が出て来た。
あ、また寝癖ついてる…
「成弥そのっ…」
「………リビングで良い?」
「あ、うん…
そうだよね…」
部屋の前で立ち話するような話じゃない…
落ち着け~私っ!!
「わゎっ!?」
「ぷっ
なんだその声…」
「び、びっくりしたんだもん!!」
すれ違いざまに、成弥に髪をくしゃくしゃにされた。
驚いて変な声が出たら、成弥に笑われた。
…もうっ!!
でも、久しぶりに成弥の笑った顔を見た気がする。
私も嬉しくて、一緒に笑っていた。
その笑いも一瞬のようで…
リビングのソファーに座った頃には、私と成弥の間に緊迫な空気が流れていた。
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