王子様の秘密-上-



「…話って?」

「あの…成弥…」

「ん?」



向かい側のソファーに座る成弥は、落ち着いていた。

それな成弥と対照に、落ち着きのない私。



「この前…
私、成弥にひどいこと言って…」

「…は?」

「だ、から……
成弥、の態度…が変わっ…グスッ…たの…?」

「ちょっ、陽菜!?
泣くなって」

「…うわぁぁん…
な、るみ…グスッ…ごめんなさぁい…」

「待てよ!
話分からねぇって!」



気付けば、私は成弥の腕の中にいた。

温かい成弥の体温に、私は反応してドキドキが増してしまう。



「…な、るみ……?」

「陽菜の話飛びすぎ。
さっぱり意味分からねぇよ」

「で、も…
私…成弥にひどいこと…っ」

「だから!
なんでそうなるわけ?
俺の態度変わったって?」



私は小さく頷いた。


成弥の腕の中で、大きな安心感と落ち着きを取り戻していた。


泣いちゃダメだ…っ

ちゃんと謝らないと…


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