王子様の秘密-上-
「成弥は悪く…」
「俺が勝手にやったんだ。
だから、陽菜には何も責めるなよ。
陽菜、ごめんな…?」
「え?成弥…?」
…何でそんなこと言うの?
私だって悪いんだ…
受け入れたのは私だ…
きっと、成弥は美沙子さんに気が付いていた…
なのに…っ
バチンッ
「あんたって息子は!!
陽菜ちゃんに…
恵理子さんに謝りなさい!!」
「あの、美沙子さん…っ」
「陽菜ちゃんはいいから!!
成弥!!」
「…ごめんな?」
成弥は切なそうな顔のまま、二度も謝った。
…違う!!
謝らなきゃならないのは、私の方なのに…っ!!
「成弥、あんたは部屋にいなさい」
「あっ、成弥!!」
「陽菜ちゃんは下にいて。
もうすぐだから…」
“もうすぐ”?
なにが?
「じゃあな、陽菜」
成弥は、笑っていた。
切なそうに…
“じゃあな”って?
“もうすぐ”って?
分からないよっ!!
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