王子様の秘密-上-
「慣れるまで不自由だと思うけど…
力になれるようがんばるから、何かあったら言ってね?」
「あっ、ありがとうございます!」
そんな私達の会話を聞いたからか、美沙子さんが椿谷君に言った。
「そうだ、成弥。
陽菜ちゃんに部屋案内して来なさいよ。
成弥の隣の部屋だから…」
「分かった。
じゃあ、桜木さん」
「あっはい!」
「それでは恵理子さん、ごゆっくり」
「あら、ありがとう。
陽菜、ちゃんと案内してもらうのよ?」
「はーい…」
美沙子さんに一礼してリビングを出ると、先に出ていた椿谷君は急に振り返った。
さっきまでの笑顔とは真逆の、めんどくさそうなだるそうな表情をしていた。
…ギャップが凄すぎます(;Д;)
「荷物はもう部屋にあるらしいから…」
「あ、ありがとうございます…」
フレンドリーな椿谷君と違って、すごい怖い…
違う意味で鼓動が速くなった。
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