王子様の秘密-上-



「ぶっ」

「汚いわね、女の子なのに」



いやいやいや!!

それはそうですけど!!


まさか…

平和な日曜日のお昼に、お母さんの口から好きな人の名前が出てくるなんて…

誰が想像できます?

少なくとも私は無理です!!



「椿谷君…知ってるでしょ?」

「…え、そりゃ、まぁ」

「嫌い?」

「ぶっ」

「あら、また?
その吹き出すのやめなさい」



いやいやいや!!

だから、あなたが急に!!


ティッシュで口を拭きながら、私はお母さんを見た。

にこにこ笑っている。

それも…

なんだか怪しい…


絶対!何かある!



「嫌い、じゃないけど?
あっ、だからって好きでもないから!!
普通だよ、普通!!」

「そんなこと聞いてないわよ。
嫌いじゃないならいいわ」

「どういう意味で…?」

「……………」



うそんっ(;Д;)

そこスルーしちゃだめでしょ!!


お母さん!!

大事なことは言いましょう!!



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