王子様の秘密-上-
「言っておくけど」
「え?」
「キスなんかで済むと思うなよ?」
「…………!!!」
お母さん…
どうやら、私は大変なことになりそうです。
怪しい笑みを浮かべた成弥君は、すっかりイメージが壊れていて…
この人に恋をしていた自分が情けなくなった。
「だから何度も言っただろ?
男しかいないって…」
「……………」
忠告だったのか…
でも、どちらにしろ、戻れなかったよね…?
「なぁ、いつまでそうしてんの?」
「え?」
「それ、誘ってんの?」
「え?……あっ!!」
制服のスカートがめくれそうになっていて、危なかった。
成弥君は上から避けてくれて、私は慌ててスカートを直した。
「あんた無防備すぎ」
「しっ知らないよ、そんなこと!!」
「襲われるぞ」
「襲っ…!?」
「ま、何かあったら言え」
「ありがと…」
立ち上がった成弥君に、頭をポンポンと叩かれた。
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