王子様の秘密-上-



「陽菜ちゃん、成弥~?
恵理子さん帰るから早く降りて来なさい」

「はーいっ」



下から聞こえた美沙子さんに返事して、部屋を出ようとした。



「陽菜」

「え!?」



急に名前を呼ばれて、びっくりした。


今日1番のドキドキだと思う…



「…ピンクの水玉は子供だろ?」

「……~最っ低!!!」



最低!最低!最低っ!!


その、性格にふさわしくない整った顔を叩きたかった。


あ~イライラする!!


私は階段を降りながら、後ろにいる成弥君に対してイライラしていた。


こんなのただの序幕にしかすぎないだなんて、誰が思うことか…


,
< 24 / 175 >

この作品をシェア

pagetop