王子様の秘密-上-
「陽菜ちゃん、成弥~?
恵理子さん帰るから早く降りて来なさい」
「はーいっ」
下から聞こえた美沙子さんに返事して、部屋を出ようとした。
「陽菜」
「え!?」
急に名前を呼ばれて、びっくりした。
今日1番のドキドキだと思う…
「…ピンクの水玉は子供だろ?」
「……~最っ低!!!」
最低!最低!最低っ!!
その、性格にふさわしくない整った顔を叩きたかった。
あ~イライラする!!
私は階段を降りながら、後ろにいる成弥君に対してイライラしていた。
こんなのただの序幕にしかすぎないだなんて、誰が思うことか…
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