王子様の秘密-上-
「ただいまー」
「ただいま」
二人の声がした。
誰?と、成弥君に視線を送ると、新聞を読むのをやめて言った。
「弟と親父」
「あ、挨拶しなきゃっ…」
「別に良いだろ、そんなの」
「良くないよ!!
居候させてもらう身なんだし!!」
私の声が大きくなったところで、リビングのドアが開いた。
「誰?」
目を向けると、そこには、私を見て固まる男の子がいた。
「か…」
「“か”?」
成弥君が聞き返す。
「…かわいいっ!!
成弥君のちっちゃいバージョンだ!!」
「「はぁ?」」
成弥君と、ミニ成弥君の不機嫌そうな声が重なった。
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