王子様の秘密-上-
「きゃーっかわいい!!
名前何て言うの?」
「…図々しい」
うん、言うことも成弥君のままだね。
「優太、挨拶は?」
「…椿谷 優太。
中学2年生」
照れているのか、顔を真っ赤にして、俯きながら話す優太君。
お兄ちゃんと違って、すごいかわいい!!
「優太、陽菜のことは聞いてるよな?」
「陽菜姉ちゃん…?」
嘘っ!?
“陽菜姉ちゃん”って…
兄弟がいない私にとって、すごい嬉しい!!
「優太君~っ」
「わっ!?
ちょ、姉ちゃん!?」
「ありがと~♪」
「…陽菜、離れろ」
「成弥のけち、別に良いじゃん。
ね、優太君?」
「なっ姉ちゃん!?」
私が優太君を抱きしめると、優太君は目を丸くして驚いていた。
あ~、私に弟がいたら、こんな感じなのかな…?
でも、なんでだろ?
成弥君が不機嫌そうに見えた。
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