王子様の秘密-上-
「陽菜…」
「やだ」
「お前…」
「だって、かわいいんだもん!!」
どうやら、成弥は私に言うのを諦めたらしい。
(…すっかり、成弥って呼べてる)
「おい、優太」
「兄ちゃん?」
「よく覚えろよ。
これが“女”の……ってぇな」
「ちょっ成弥!!
バカなこと言わないでよ!!」
私は優太君を放して、かわりに成弥の肩を叩いた。
…頭を叩きたかったけど、長身の成弥の頭なんて遠すぎたから、肩にした。
悔しい!!
「陽菜姉ちゃん…女…陽菜姉ちゃん…女の…」
ぶつぶつ言う優太君は、真っ赤になっている。
「あーっ、優太君気にしないで!!
成弥のバカ!!」
「…んだよ。
正しいこと言っただけだろ?
な、優太?」
「女って…
あんなにやわらかいんだな…」
「優太もエロいなぁ」
「ちょっ!!
成弥のバカ!!変態!!最低!!」
ありえない!!
ニヤニヤ笑っている成弥を、思いっきり睨んでやった。
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