王子様の秘密-上-
「うるせーなぁ…
なんだよ、陽菜…って、は?兄貴?」
…何やってんだ?
「な、なる…みぃ…」
苦しそうに、泣きそうな顔をした陽菜が俺を見ていた。
「おい!兄貴!
陽菜に何してんだよ!」
まじかよ…
俺はすぐに兄貴を陽菜から放させた。
「…ん?成弥?
え?あっごめ…」
ごめん、じゃねぇよ…
それより陽菜は…
…泣いてんじゃん。
「大丈夫か?」
「グスッ…成弥ぃ…」
って言うか、今気付いたけど…
何で陽菜が下着なんだ?
まさか兄貴…っ!!
俺はとりあえず、兄貴と陽菜の間に入って、陽菜の姿を兄貴に見られないように隠した。
「兄貴!!
陽菜のこと、言われてただろ?」
「陽菜ちゃん…?
あ、陽菜ちゃん!!」
思い出したかのように陽菜の名前を言ったけど…
絶対演技だ…
わざと陽菜にやったしか思えねぇ…
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