王子様の秘密-上-



「うるせーなぁ…
なんだよ、陽菜…って、は?兄貴?」



…何やってんだ?



「な、なる…みぃ…」



苦しそうに、泣きそうな顔をした陽菜が俺を見ていた。



「おい!兄貴!
陽菜に何してんだよ!」



まじかよ…


俺はすぐに兄貴を陽菜から放させた。



「…ん?成弥?
え?あっごめ…」



ごめん、じゃねぇよ…

それより陽菜は…

…泣いてんじゃん。



「大丈夫か?」

「グスッ…成弥ぃ…」



って言うか、今気付いたけど…

何で陽菜が下着なんだ?

まさか兄貴…っ!!


俺はとりあえず、兄貴と陽菜の間に入って、陽菜の姿を兄貴に見られないように隠した。



「兄貴!!
陽菜のこと、言われてただろ?」

「陽菜ちゃん…?
あ、陽菜ちゃん!!」



思い出したかのように陽菜の名前を言ったけど…

絶対演技だ…


わざと陽菜にやったしか思えねぇ…



,
< 40 / 175 >

この作品をシェア

pagetop