王子様の秘密-上-



桜木…陽菜は、俺の本性を知って絶望していた。


でも、俺のことを“椿谷君”から“成弥”って呼ぶようになった。

敬語もやめさせた。

俺が何か言うと、“最低”や“最後”、“変態”なども言ってくるようになった。


たまには良いかも知れない。


俺に寄って来るのは、媚び売ってばかりの香水くせぇ着飾った女。

それか、いかにも純情らしい控えめな女達。



“変態”なんて、今まで女に言われたことねぇし…


お前が初めてだよ、陽菜。



たまには良いかも知れない。

いや、良いんだ。



こういう正面からぶつかって来る奴がいた方が楽しい。


でもな…

覚えてろよ、桜木 陽菜。


俺のプライド傷付けやがったな…?



いじめてやるよ。

いつか、お前も俺の物にしてやる。


覚悟しろよ。



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