王子様の秘密-上-



「はぁー…」



成弥は自分だけ起き上がり、上から私を見下ろした。

そして、ため息の理由が不明。



「やっぱ、バカだ」

「なっ!」

「男の部屋に入るなよ…
こういうことが起こらない可能性なんて皆無に近ぇんだぞ?」

「……………」



そ、そりゃ、そうですけど!!

だから、ドアの所から声かけたでしょうが!!



「優太は起こしたんだろ?」

「う、ん」

「抱き着いてねぇだろうな?」

「しっしてないもん!!」



しそうにはなったけど…


ニヤニヤしながら私を見る成弥。


絶対変なこと考えてる!



「兄貴はまだだろ?」

「…うん」

「じゃ、俺が行くから。
陽菜は先に戻ってて」

「え、でも…」

「あ゙?
陽菜ちゃんはそんなに襲われたいわけ?
無防備にいつまでもベッドにいるし…」

「ち、違っ!!
バカ!変態!」

「うっせー…」



めんどくさそうに言った成弥が、私の上に降ちてきて…



「お、重いよっ
成弥!!変態!!バカ!!
早く離れてよーっ!!」



私が暴れ出すと、成弥は離れてくれた。



「だから、早く行けって。
これからは起こすの頼まれたら、俺ん所来いよ」

「やだっ!!
誰が変態の所に!!」

「あー…ねみぃ…」

「ぎゃー嘘です!!
行きます!行きますからっ!!」

「それで良し」



満足そうな笑みのまま、成弥は部屋を出て行った。


…なんなのよー!



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