王子様の秘密-上-



「ちょっと待て!
一つ…いや、二つ!
聞きたいんだけど…」

「なに?」



明らかに、めんどくさそうな成弥。



「何で二人一緒にいるの?」

「たまたま」



た、たまたまって…!



「なんで桜木ちゃん、制服汚れてるの?」

「あ、さっき転んじゃって…」

「あ、そうなんだ。
気をつけてね」



あはは、と笑い合った。


…成弥が優等生ぶらないってことは、二人は仲良いのか…



「桜木ちゃん、家こっちだっけ?」

「うう「はい、質問終了」」



成弥に遮られて、恭平君は悔しそうな顔をした。



「あっ、成弥」

「なに?」

「寝癖ついてる」



成弥の寝癖が、歩くたびにぴょんぴょん動いてて、かわいかった。

笑った私を見て、成弥が睨んだ。



「…お前らのせいじゃん。
洗面所使う時間とりやがって…」

「あ、ごめん。
でも悪いのは成弥もでしょ!?」



そんな私達の会話を聞いていた恭平君。

…すっかり忘れてた。



「ちょっ、ちょっと!
なに?なにがあった?
なんでそんな親しいわけ!?」

「…恭平、いたんだ」

「酷ぇよっ!!
…じゃなくて、成弥、お前本性…」

「ばらした。
めんどいもん、こいつ」

「ひどい!
やっぱり最低!」

「あの…桜木ちゃん?」



私?


恭平君は、きょとんとしていた。



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