王子様の秘密-上-
ドキッ…
“椿谷君“じゃなくて“成弥”だ。
なんで、そんな顔するのよ…
「陽菜?」
「え?」
「桜木さん」
「な…椿谷君?」
「ちょっと時間いいかな?
よかったら深川さんも…」
え?栞も?
私が栞を見ると、栞は笑顔で頷いた。
「私は良いよ」
そして、私にこそっと…
“がんばれ“と言った。
…がんばりようがないんだけどな。
成弥は何考えているの?
何で栞を誘ったの?
成弥は、すっかり“椿谷君”に戻っていた。
私のクラスでも、いろんな人に声をかけられていた。
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