王子様の秘密-上-



「別に良いよね?」

「えーっと…」

「じゃあ、高峰借りるね。
ほら行くよ!」

「…はい」



諦めた顔の恭平君は、渋々と栞に従った。

そんな栞は私を見て、ウィンクをした。

“がんばって”の意味。


そっか…

わざと恭平君に言ったんだ…



「じゃあね、陽菜、椿谷君♪」

「さよなら、深川さん」

「あ、ばいばいっ!
恭平君も!」

「桜木ちゃん…」

「さ、行くよ!」



栞に続いて、恭平君もファミレスを出て行った。



,
< 64 / 175 >

この作品をシェア

pagetop