王子様の秘密-上-
「別に良いよね?」
「えーっと…」
「じゃあ、高峰借りるね。
ほら行くよ!」
「…はい」
諦めた顔の恭平君は、渋々と栞に従った。
そんな栞は私を見て、ウィンクをした。
“がんばって”の意味。
そっか…
わざと恭平君に言ったんだ…
「じゃあね、陽菜、椿谷君♪」
「さよなら、深川さん」
「あ、ばいばいっ!
恭平君も!」
「桜木ちゃん…」
「さ、行くよ!」
栞に続いて、恭平君もファミレスを出て行った。
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