王子様の秘密-上-
「栞と恭平君には、本当のこと言ってもいいんじゃない?」
さっき言ったことと同じ言葉を口にした。
成弥は二度ほど瞬きしてから、じっと私を見た。
「…どうなったって知らねぇよ」
「だって…
栞は大事な友達だもん…
隠し事はしたくない」
隣であぐらをかいていた成弥は、ふぅと息をついた。
「深川はともかく…
恭平は口が軽いからな…」
酒を飲んだら終わりだ、とかぼやいていた。
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