王子様の秘密-上-
「…はぁ」
「どうしたの、陽菜?
てか、遅刻ギリギリすぎでしょ」
「うん…」
道に迷った…
なんて、言えるわけがない。
「あのさ、陽菜?」
「なぁに?」
「何で、高峰と学校来たの?」
「…栞ちゃんは痛いところを…」
「ふざけないで。
私、陽菜に警告したよね?
昨日も私が高峰帰らせてやったんだから…」
「ごめん…」
栞は怒っていた。
でも、私は怒られる理由が分からなかった。
…恭平君は友達だよ?
栞も成弥も…
何でそんなに怒るの…?
今日の朝だって、成弥が先に学校行くから、私は道にに迷ったんだもん。
そこで、恭平君に会って助かったんだし…
二人とも、分かんないよ…
恭平君は良い友達、でしょ?
,