王子様の秘密-上-



「あ、れ…?」

「あっ、桜木ちゃーん♪」

「…きょ、恭平君!?」

「成弥も遅ぇよ!」



なんで…?

何でなんで!?


だって、ここ、自習室…



「…今は使われてねぇんだよ。
4月に新しい自習室出来てから、誰もここに来ない」

「だから、俺らのたまり場!」



楽しそうな恭平君もいて…



「成弥が本性出すなんて…
この子、何したの?」



あれ?

初対面…?



「てか、桜木 陽菜ちゃんでしょ?
成弥ずりぃよー!」



あれれ?

こっちも初対面…



「「成弥教えろよー!!」」



最後は息ぴったりの二人。


いやいやいや!!

なんで、私の名前を知ってるの!?

やっぱり遅刻しすぎたのかな…

でも、そんなに遅刻してないよね!?



「陽菜」

「は、はいっ」

「お前…百面相やめろよ」

「へ…?」



突然沸き上がる笑い。


へ?

へ?

へぇ!?

意味分かんないんだけど!!



「あの、成弥…」

「ん?」

「この人達は…
その、成弥の…お友達?」

「だろうな」

「あ、そうなんだ!!
えっと初めまして…
桜木…」



再び沸き上がる笑い。


もう!

せっかく人が自己紹介してるのに!!



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