王子様の秘密-上-



「あー、成弥が陽菜ちゃん泣かせた」

「うわっ、最低!!」

「桜木ちゃん、成弥なんか相手にしないで俺達と…」

「てめぇら…」

「「「きゃ~成弥君が怒ったぁ」」」



まるで女子のように騒ぐ恭平君達。

そんな恭平君達を怒る成弥。


ん?

成弥?


えっと…



「…なに…?」

「……………」



成弥が私をじっと見てる。

…と言うか、睨んでる!!

睨まれてるよね、わたし!?


まさか昨日の喧嘩を根に持って…



「…バーカ」

「へ?」

「…バカじゃ足りねぇな。
お前は、バカバカバカの大バカ野郎だ!!」

「…グスッ…成弥…ひどい…」

「亘理達の前であんな顔しやがって…
バカにも程ってもんがあるだろ!?
兄貴にも、亘理達にも…
お前は世の中の男を甘く見すぎなんだよ!!」

「へぇ~
あんな顔って?」

「どんな顔?
まさか、陽菜ちゃんのキス顔とか!?」

「桜木ちゃんのキス顔とか、かなり見たい!!
亘理の奴ずりぃ~!!」

「…お前らなぁ!!」



そのあとは、成弥は、私じゃなく…

恭平君達に説教していた。


3人とも反省してなかったけど…



,
< 78 / 175 >

この作品をシェア

pagetop