王子様の秘密-上-
だってだって!!
寝起きの顔も寝癖もやばいし…
かわいい私服なんて、そんなに持ってない…
まさか、好きな人の前では部屋着であるTシャツにジャージでいろ、と…?
無理むりむり!!!
恥ずかしくて死ぬ!!
別に椿谷君に相手されなくても、私が恥ずかしい!!
「お母さん…
明後日って言ったよね?」
「そうよ。
明々後日からお母さん出張なの」
「まんま平日なのは…?」
条件悪すぎやしないか?
「気にしないの。
あ、そうだ」
「なに?」
「陽菜、あんた頭悪いから、家庭教師頼んだわよ♪」
「はあ!?
居候の身で何考えてるの!?」
「大丈夫、成弥君のお兄さん…
大学生なんですってね?」
そんなこと知らない…
「家から通ってるみたいだから、休日に家庭教師してもらえるそうよ?
良かったわねぇ」
あ、お母さん…
意外とせこい手を使ったな?
「私、明日の帰り遅くなるから」
「なんで?」
「~っ!!
こんな格好で人様の前に出られるわけないでしょ!?
服買って来るの」
「あらそう」
なんとも素っ気ない返事…
果して…
私は大丈夫なのだろうか…?
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