王子様の秘密-上-



「陽菜は、俺の家に居候してる。
以上」



成弥の急すぎるほど、しかも簡潔すぎるカミングアウトに、一同固まった。



「なんで?
いつから?」



初めに口を開いたのは、賢君だった。

成弥はそのまま答えた。



「この前。
親同士知り合いで、陽菜の親が長期の出張決まったから」

「…あ、そう…」

「…成弥ずりー!!
桜木ちゃんとずっと一緒かよ!!
桜木ちゃんの私服とか見てんだろー!?」

「別に」

「あああー!!
桜木ちゃんが汚れる!!
ってことで、今日から高峰家に!!」

「えっと…その…
気持ちは嬉しいけど、やっぱりお母さんの言うことだし…」

「陽菜、今の本気にするなよ」



呆れたように言う成弥。



「いや、本気で良いんだよ!?
俺一人暮らしで寂しいし…」

「えっ、じゃあ今度お母さんに聞いてみる…」

「だからって、毎日女連れ込む癖やめたらどうだ?」



え?

えぇ!?

恭平君って、実は…



「そんな毎日じゃないよ。
週に5、6くらいだから」

「それだから…
お前、何て呼ばれてるか知ってんの?」

「ん?なに?有名?」



目をキラキラさせて聞く恭平君。


恭平君がそんな人だったなんて…



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