王子様の秘密-上-



バチンッ



「…ってぇな」

「成弥が悪い!!
最っ低!!」

「…俺が何かしたか?」

「はあああぁぁ!?」



信じられないっ!!

みなさん聞きました!?


この変態…

本気で寝ぼけていたみたいです!!


私にビンタされ、やっと目を覚ました成弥。

痛そうに、自分の頬をさすっている。


…に、睨まないでよ…

悪いのは成弥なんだからっ!!



「成弥のバカっ
もう知らない!!」

「……………」

「大っ嫌い!!」



成弥なんか…

成弥なんか!!

乙女のときめき返せっ!!


苛立ったまま、私は成弥の部屋のドアを思いっきり閉めた。


ずっと寝てればいいよ!!

一生目を覚まさなくてもいい!!

いや、そっちの方がモテるよ!!


だから…

ずっと寝てろ!!



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