王子様の秘密-上-
「……………」
「…陽菜?」
「……………」
「おーい」
「……………」
なんかさっきから成弥が私を呼んでるけど…
私だって、怒ってるんだからね!!
私はそっぽを向いたまま、テレビをつけた。
これ以上、成弥がうるさくなったら、リビングを出て部屋に戻ろっ!!
「陽菜」
「……ふっ…」
テレビおもしろいのにっ!!
おもしろいのに…っ!!
苛立ってて、つい、鼻で笑ってしまった。
「…おい、陽菜」
「…あ、あはは…」
おもしろすぎて泣けちゃうよ!!
私おもいっきり棒読みな笑い方になってるじゃん!!
「ひ…」
「話しかけないで」
「……………」
「私、テレビ見てるんだから!」
「…あっそ」
ふん、だっ!!
成弥なんか嫌い!!
あんな奴、相手にもしたくない!!
成弥は、不機嫌そうにリビングを出て行った。
なによ!!
不機嫌なのは、私の方よ!!
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