王子様の秘密-上-





「……………」

「…陽菜?」

「……………」

「おーい」

「……………」



なんかさっきから成弥が私を呼んでるけど…

私だって、怒ってるんだからね!!


私はそっぽを向いたまま、テレビをつけた。


これ以上、成弥がうるさくなったら、リビングを出て部屋に戻ろっ!!



「陽菜」

「……ふっ…」



テレビおもしろいのにっ!!

おもしろいのに…っ!!


苛立ってて、つい、鼻で笑ってしまった。



「…おい、陽菜」

「…あ、あはは…」



おもしろすぎて泣けちゃうよ!!

私おもいっきり棒読みな笑い方になってるじゃん!!



「ひ…」

「話しかけないで」

「……………」

「私、テレビ見てるんだから!」

「…あっそ」



ふん、だっ!!

成弥なんか嫌い!!

あんな奴、相手にもしたくない!!


成弥は、不機嫌そうにリビングを出て行った。


なによ!!

不機嫌なのは、私の方よ!!



,
< 96 / 175 >

この作品をシェア

pagetop