王子様の秘密-上-
そんな私と成弥は目が合った。
ニヤリと笑みを浮かべた成弥。
「エロいこと考えんなよ、バーカ」
「なっ…成弥の方こそ!!」
「じゃ、行ってくる」
「あーっ無視しないでよ!」
成弥は近くに置いてあった荷物を持って、キッチンを出て行った。
かわいい女の子なら!
前までの私みたいに、成弥が好きだったら!
玄関まで行って「がんばって♪」みたいなこと言っちゃうんだろうけど…
バタン
少なくとも、今の私は絶対にそんなことしないもんね!
玄関のドアが閉まる音を聞いてから、私は玄関の方に向かって舌を出した。
成弥のバカ!!
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