お前、自分が何言ってるのか分かってるの?【BL】
「智……」

優しく、逞が俺を呼ぶ。

「ん?」

なんだ?と思いながら、逞の方を向くと

「んっ!?」

いきなり奪われる唇。

逞!?
疾風の前で、キスなんて……

ゆっくりと唇が離れて

逞の顔が見える。

「ごめんな?したくなっちゃった。」

したくなっちゃったって……


そして逞は、俺を片手で抱き締めて

「悪かったなぁ。疾風君?俺と智はこの間から、恋人同士なんだ。」

と、疾風に言った。


疾風は

「智ちゃん……本当に?」

と、俺に聞いてきた。

俺が黙って頷くと


「テメェ、逞!よくも智ちゃんを奪いやがったな!」

さっきよりも恐い顔で、逞を睨み付ける。

逞はニヤニヤ笑ってるけど……


「智ちゃん!俺、諦めないから!!絶対に智ちゃんを取り戻すからっ!邪魔してやる、邪魔してやる、邪魔してやるー!!」

と、叫んで家を出ていった。


俺は、訳が分からなかった……
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