お前、自分が何言ってるのか分かってるの?【BL】
「あの、さ……今のってどういう意味なの、かな?」


小首を傾げて、逞に聞く。

逞は大きなため息をついて

「知らなかったのか?アイツ、昔からお前の事が好きだったんだよ。……多分。」

と、言った。

えっ?えっ?えーっ!?

疾風が、俺を?


「全然、気付かなかった……」

「だろうな。お前、鈍感だもんな。」

鈍感って……

まぁ、否定は出来ないけどさ。


ってか

「疾風、邪魔してやるって言ってなかったか?」

「あぁ、言ってたな。まさか、俺に取られるとは思ってなかったんだろう。俺、あの頃は普通に女が好きだったしな。」


邪魔って、何するつもりなんだよ……


せっかく、逞と両思いになったのに

神様は、俺達に試練を与えるつもりなのかよー!


俺が、不安そうな顔をしていると

逞が

「大丈夫だ。アイツは智の事が好きなんだから、お前に何か危害を与える事はないだろう。だから、心配するな?」

と、言って

俺のオデコにキスしてくれた。


でもさ

それって、逞が危ないって事じゃね?

俺は一抹の不安を抱えながら

逞の胸に顔を埋めた。
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