お前、自分が何言ってるのか分かってるの?【BL】
「智ちゃん……」

吐息混じりに俺の名を呼ぶ、疾風。


疾風の手が、下に落ち、俺のベルトを外しにかかる。


「ちょ……疾風!これ以上は絶対に止めろ!」


だって、まだ逞ともした事ないのに……

初めては……逞がいい。


でも、疾風は意地悪く笑いながら

「なんで?大丈夫だよ?痛くしない……気持ち良くするから。」

と、言って

俺のに触れようとしてきた。


「ーっ!?」

止めろ、止めろ、止めろ!!

ドンッ……

渾身の力を振り絞って

俺の手を掴んでいた疾風の手を振り払って、疾風を突き飛ばした。


「……智ちゃん、なんでそんなに、嫌がるの?そんなに……アイツが良い……?」

ポツリと、疾風が言う。

俺は、泣きじゃくりながら、何度も頷いた。

「逞が……逞が良い……。」

何度も、何度も呟いた。


「智ちゃん……ごめんね?」

疾風は、優しく俺の頭を撫でて……

もぅ、何もしないから、泣かないで……

と、言って

俺を抱き締めた。


そして、疾風は何も言わず部屋を出た。
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