お前、自分が何言ってるのか分かってるの?【BL】
いない……

左の道に行ったのかな?

どうする?
引き返そうか……


でも、もしかしたら……

あの角を曲がったら、いそうな気がするんだ。

俺は、走った。

曲がり角のところまで、全速力で。


だって、本当にいそうな気がするんだもん。

……気がする、だけだけど。


淡い期待をもちながら、俺は角を曲がった。

……って!?

本当にいたーっ!!


そこには、一人でスタスタと歩く、奏多先輩がいた。

良かった……

デートじゃ、なかったんだ。

あ、もしかしたら

これからデートなのかも知れないけど……

とりあえず、今は一人で良かった……


って、だから『良かった』って、何だよ!?

別に、奏多先輩が誰とデートしたって関係ねぇし!


……まぁ、目の前で知らない奴とイチャつかれたら、イラつくけど。
< 66 / 80 >

この作品をシェア

pagetop