お前、自分が何言ってるのか分かってるの?【BL】
「奏多先輩!!」

俺は大声で叫んだ。

が、先輩は……

俺の声が聞こえていないのか、立ち止まる事などしないで、スタスタと歩いている。

……こんなにでかい声で呼んでるのに、聞こえてないっておかしいよな?

って事は……

シカトかよ!

イラつく!苛つく!イラつくー!!

俺はまた全速力で走り、奏多先輩の腕を掴んだ。

「奏多先輩!」

先輩は意地悪く笑って、俺の方を振り向くと

「あぁ、何だ。疾風君じゃないか。全然気がつかなかった。……どうしたんだ?」

なーにが、全然気がつかなかった。

だよ!!

「……シカト、してたんじゃなかったんですか?」

と、俺が聞くと

何だ、バレたか。

って、奏多先輩は笑った。

バレたかって……

ふざけんなよー!!

「で、どうしたんだ?」

一通り笑い終えた後

奏多先輩は俺に尋ねた。
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