お前、自分が何言ってるのか分かってるの?【BL】
あ……そうだった。

本来の目的を忘れてた。

「奏多先輩は……何で、俺にキスをしたんですか?」

俺は奏多先輩に聞いた。

「は?」

と、だけ、奏多先輩。

いや、「は?」じゃないからっ!

「だから、何でキスしたんだよ!?」

俺は、また奏多先輩に聞いた。

奏多先輩は、暫く黙ったままで……

それから

鼻で笑って

「知りたいのか?」

と、聞いてきた。

知りたいから、聞いたのに決まってんだろー!

あー、もうダメだ。

イラッとくる。

俺は奏多先輩を、ギロッと睨んで

「当たり前だ!アンタ、年上が好きなんだろ?なのに、何で俺にキスした!」

と、もう一度聞いた。

相変わらず、先輩は

ニヤニヤ笑ってて……

「なぁ、何で知りたいの?お前、俺の事なんて別にどうでも良いだろ?キスが嫌なら、俺から逃げれば良いだけの話だ。なのに、何でお前はわざわざ俺を探して、キスの理由を聞こうとするんだ?」

そ……それは……

確かに、嫌なら近付かなければ良いだけの話。

なのに、何で俺は、わざわざ聞きに来たんだ?

キスの意味を……
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