僕と私で友達
こどもは無邪気で時に残酷だと言うのは、この事だ。
鈴と遊んでると、命がいくつ有っても足りない。

俺がいつも半ベソ状態で帰ると、鈴はお母さんのゲンコツをくらう。
鈴のお母さんは、イツも鈴が何かやらかしてないかと母に謝りに来ては、楽しげに近所の噂話をした。




そんな矢先、鈴はマンションの階段から落ち重症を負った。

「成海、鈴ちゃん頭を打って病院にいるんだって…お見舞い行く?」

でも、何時しか鈴は俺の中で大きな存在になってたのは確かだ。
だから、嫌だった。
いつも元気でフルパワーの鈴が居ないのは。
嫌だった。
俺を引きずり回す鈴が歯のない歯茎を出して笑わないのは。

「ヤダ。行かない。」

鈴の退院には少し時間がかかった。
俺は、鈴が退院するまでただ一人遊びを繰り返すだけだった。

人形でごっこ遊び、折り紙で紙飛行機やデタラメなものをひたすら折り続けた。
でも、どれもすぐに飽きて壊してしまう。











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