僕と私で友達
それと家庭にパソコンの普及率も随分上がって、俺の家にも叔父さんのお下がりだけれども使えるパソコンがやってきた年でもあった。

鈴と出会って5年目の夏、その大予言ブームの波とパソコン普及時代の幕開けとも言われる、ある事件が起きた。

夏休みのプール週間が終わりに近付いた頃。

鈴は散々プールで泳いだ後も区内のスポーツ大会に出る為にグランドを走り込む。
俺はプールが終わるとクーラーの効いたパソコン室で涼むのが日課で、入道雲が青い空に絵を描いて突き刺さる日差しの下倒れない鈴を不思議と眺めた。

「百瀬さんは元気だねぇ」

パソコン室を管理している教頭先生も感心しながらグランドを眺めていた。

もうすぐ、子ども会のキャンプが始まって俺と鈴が住むマンションから同じ小学校に通う子達がいなくなる。


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