だから、お願い
結局、たくさんあった肉や野菜はほとんどが拓也の胃に収まり
お皿の上がからになったころには、拓也はげっそりと項垂れていた。
ぽっこりと膨らんだお腹に、少し申し訳なさを感じたが
まだ動き辛そうな拓也を引っ張り、焼肉屋を後にした。
外に出た途端、むわんとした空気があたしたちを襲う。
長袖をまくりあげ、首もとをぱたぱたと仰いでみるが、空気が入れかわったところで、その空気自体が暑くて仕方ないのだから
その力によけいに汗が吹き出しそうになる。
結局少し歩いただけで、体力がなくなってしまい
まだ昼過ぎだというのに、不調を隠せないあたしを拓也は家まで送り届け
あたしをベッドに転がせたところで、家へと帰って行ってしまった。
ばたん、とドアの閉まる音がする。
静まり返る部屋に、そっと
ため息をこぼした。