だから、お願い
拓也が、すき。
なのに拓也と居る時間が、一番に力を消耗する。
生活感のないこの部屋にだって、何人もの男の中
拓也だけしか足を踏み入れたことがない。
拓也はあたしにとって、特別。
なのに、あたしには拓也の愛だけじゃ足りなくて
残酷なまでに拓也を裏切り続ける。
携帯の電源をオンにすると、二通ほどのメールが受信された。
昨日の夜に返したメールの返事がきていて
そういえば、今日の夜に京と会う約束をしていたことを思い出す。
そんなもんだ。
あたしにとって、他の男たちは"そんな"程度で
だけど、こんなあたしを見捨てられない拓也にすがり付いている。
拓也を、縛り付けている。