薔薇の棘と黒いかまきり【短編】



昼頃になり、私はいつものように庭の手入れを始めた。


毎日かまきりがくるのが当たり前になっていた。

家族を失って、人を信じることを捨てた私は誰かと関わることを恐れた。


なのに私は黒いかまきりが現れるのを待っていた。



その日かまきりは現れなかった。
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