薔薇の棘と黒いかまきり【短編】
「なにいってるんだい? そんなことできるわけないだろう」
「私こんなに苦しくて死ぬならかまきりに殺してもらいたい」
かまきりは首をふるだけ。
「私あなたが愛しいの。
ねえかまきり。あなたは私を愛しいと思ってくれる?」
かまきりは小さく小さく頷いた。
「それなら私を殺して。私の首を切って。私もう死ぬの。死ぬならあなたの呪い解いて死にたいよ」
私はかまきりの腕を首もとにもってきた。