運命
俺は息を呑んだ。
 
「俺…ずっと前から…」
 
「神風瑠茄さん、神風瑠茄さん…至急職員室へお願いします」
 
ピーンポーンパーンポーン
 
先程のチャイムとは違って音程の下がっていくチャイム。
 
放送を聞いた途端に桜を惜しむようにして職員室に足を運ぼうとする瑠茄。
 
「かっ、神風!!」
 
しかし、俺はそれを引き止める。
 
「何?」
 
仕方なさそうに振り返って無表情で問う瑠茄。
 
「校門…で待ってるから…!!」
 
勇気を振り絞って言った言葉。
 
しかし、瑠茄は頷きもせず無言で行ってしまった。
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