妖魔04~聖域~
姉は笑顔で客からプレゼントを貰いながら、やんわりと断っていました。

しかし、強引な客が一人いて、姉を無理にでも誘いかけます。

一度だけと思い、彼女は男性の誘いに乗ってしまいました。

姉は男性の勢いにまけ、デートをすることになりました。

妹に心配をかけたくない姉は、その事を話しました。

「姉さんがいいって言ったんならいきなよ。今度はわがまま言わないから」

しかし、妹は止めたくて仕方ありません。

男性との間に何かあったらと思うと、胸が痛む一方でした。

「うん」

戸惑いながらも頷いた姉は、翌日デートにでかけることになります。

妹は嫌な予感を感じ取ります。

感じ取った時には全て遅かったのです。

姉妹のささやかな幸せは全てを飲み込む波によって粉砕します。

色んな場所を回った姉と男はデートを終えようとしていました。

姉は楽しんでいましたが、妹の事を考えると最後までは行ってはならないと思います。

男はまた誘おうとします。

姉は困りながら返事に困っていました。

その時、何の不運か。

男の上に組み立て中の家の木材が降りかかってこようとします。

男に成す術はありません。

楽しませてくれた恩がある姉は男を助けたいと思います。

それは神からの祝いか、それとも悪魔による呪いなのか。

彼女は手から強い風を吹き起こし、木材をどこかへと追いやってしまいます。
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