妖魔04~聖域~
「ほん、とう?」

少年の言葉は妹に大きな衝撃を与えました。

「限りなく低くても方法はある」

妹が望んでいることは、愛する姉が助かること。

「姉さんを助けられるの?」

「成功するかどうかははっきりとしていない。君は、それでも、賭けてみるかね?」

「少しでも希望があるのならお願い!」

妹はなりふり構ってはいられませんでした。

どの道、村人に見つかって死んでしまう。

「時間がない。君と君の姉を運ぼう」

彼女達は一人ずつ少年に連れられて、山の奥へと進んできます。

そして、屋敷のような場所に辿りつきました。

「ここは?」

「ここも見つからないとは限らないがね。それこそ、村人は魔を取り扱っているといって、焼き払うだろう」

屋敷の中に入ると、薄暗い廊下を歩いていきます。

妹にとって、このような場所は初めてでした。

少しだけ新鮮味を覚えたのです。

しかし、始まりに過ぎませんでした。

「ここで君たちを助ける術を行う」

一つの部屋の扉を開けると、見たこともない物がいっぱいあります。

鉄で出来ている寝床、小さい刃物、四角い箱。

彼女は室内にある物を何一つ見た事はありませんでした。

「何、ここ」

「君に説明するのは、今から行う儀式だけさ」

少年が儀式のことを話し始めました。

妹はそれを聞くと、どんどん青ざめていきます。
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