妖魔04~聖域~
「相変わらず、性格悪いな」

捻じ曲がったのはいつからだったろうか。

「あんたの口よりはマシだけどね」

他の道を探すよりも、性悪女に頼った方が早いかもしれない。

「テメエ」

「てめえ?よく聞こえないわね」

耳に手を当てて、聞こえないフリをしている。

「冬狐」

「え?」

「冬狐さん」

「何?もうちょっと大声で言ってくれない?」

「と、と、冬狐様」

額の血管を痙攣させながら、寝ている燕に三角締めをかける。

「魔草青汁が飲みたい気分ね。誰か三分以内に買って来てくれないかしら」

「ち!」

近くの駄菓子屋に向かい、『冷やすとおいしい魔草青汁』を入手する。

「誰が凍らしたものを買って来いと言ったの?」

「ふざけんじゃねえ!金払ってるだけマシだと思え!」

走って帰って来た頃には汗だくになっている。
< 11 / 330 >

この作品をシェア

pagetop