妖魔04~聖域~
『右斜めに出現』

その瞬間、俺はビームによって死骸になった妖魔を持ち上げる。

チャンスは一瞬。

クリスタルの妖魔が出現するのと同時に、それをクリスタルの上空に投げつける。

光が遮られ影が出来た事により、反射する事が出来なくなる。

そして、一瞬ではあるが、光のチャージのために止まっていた。

「苦労かけさせるんじゃねえ」

速さはクリスタルが上だったかもしれない。

しかし、堅さは青光剣が上だったようだ。

真横を駆け抜けるのと同時に、クリスタルを真っ二つにする。

「はあ、はあ、くそ、時間かかるぜ」

まだ敵の攻撃は終わっていない。

傍に来ていた狼男が大きな爪で切り裂こうとする。

俺は地を蹴って飛び上がって回避し、狼男の両肩に両膝を置いて首を挟む。

「暇人が」

膝を回転させると狼男の首は、あらぬ方向に曲がり倒れる。

「家で寝てろよ」

休んでる暇もなく、人を包む大きさの炎の弾が飛んでくる。

しかし、避けられない程、速くはない。

バック転しながら避けるが、着地点にきた時には地割れが起こっている。

「嘘、だろ!?」

地割れの中に落ちそうになったところで、何とかもがいて青光剣を地割れの入り口付近の壁に刺した。

「くそ」

地割れが閉まろうとしたところで、俺は壁を蹴って急いで脱出する。
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