妖魔04~聖域~
地上に降り立つと、先ほどの筋肉妖魔が待っている。

筋肉妖魔は拳を放つが、カウンターを狙い青光剣で切り裂く。

拳から腕にかけて縦に真っ二つに切れると、顔らしき部分から悲鳴が上げる。

怯んだ隙に青光剣を胸に差し込む。

「悪いな。俺はか弱い見た目をした奴を守りたくなるんだよ」

刺したまま炎避けにし前へと進んでいく。

そして、距離が進んだところで筋肉妖魔を妖魔達へと投げ棄てる。

筋肉質妖魔は爆弾のように弾け、骨や肉を周りへと散らした。

被害を受けた周りの妖魔達の悲鳴が聞こえてくる。

「はあ、はあ」

疲労が溜まってきているようで、動きが鈍くなってきている。

妖魔達の死骸を築いても、まだ後ろに控えている。

百から増えてきていないか?

『王子様、増援あり』

「キリがないな」

魔力の残量も少なくなってきている。

「諦めるか?弱き妖魔」

妖魔の向こうに見えるは、一つの影。

「イヴァン、お前か」

「どうした?妖魔に近づいても、その程度か?」

「黙れ」

「力の使い方も解らない猿には惨めな終末がお似合いなようだ」

イヴァンは背中を向けて、去っていく。

「決着をつけてやる」

久々に出遭った凶悪な敵に高鳴る鼓動。

心の奥底から何かが押し寄せる。

『出力上昇』

イヴァンに向おうとした瞬間、『審判』の文字が表示される。

「意識が」

『精神の高鳴りが世界を覆す。モード:審判』

「こんな時に、嘘、だろ?」

審判の文字が消えると、目前が真っ暗になり意識が落ちた。
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